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2011年9月20日

庭の生き物:花


気がついたら突然咲いていた。
スイセンとかの類いでしょうか…。 ←コメントをいただきました。ヒガンバナ科の…茎が中空なのでアマリリス属ではなくヒッペアストラム属(Hippeastrum sp.)で、一般にアマリリスと呼ばれる園芸品種の一つのようです。
新築ではないので、前から植わっている植物がいろいろあります。この花も、土の中に球根でもあったんでしょう。
葉がないので、なんだかヒガンバナのよう。
そういえば、そろそろお彼岸ですか。

こちらでは日中だいぶ暖かくなり、春の陽気といったところ。
また暑くなるのか、と思うと憂鬱ですが。
気温が上がり始め、雨はまだ降らず湿度が低めのこの時期、オーストラリアでは森林火災の時期でもあります。昨日は、クイーンズランド州で340カ所の森林/植生火災があったそうです。
Queensland on high alert as 340 fires burn across the stateThe Courier-Mail
September 19, 2011 10:12AM)



2011年4月16日

チャリティイベント@Cairns

日本ではまだまだ余震が続いているようですが、このところ、ケアンズでは震災復興支援のためのチャリティイベントがいくつか開催されています。
先週、今週と2つ参加してきました。


まず先週4月8日に開催された【Japan Mate Night】。

これは、おもにブログなどを通じたクチコミ(と、カキコミ?)で告知をしていたようで、私の周りには開催を知っている人がほとんどいなかった。告知が行われたのも直前だったようです。チャリティイベントとして、それはどうなのかなあ…。
で、場所がナイトクラブだし、時間が遅いし、うちらのような夜あまり外出しない人にとっては、残念ながら気軽に行ける雰囲気ではなかったです。子供も来れないしね。仕事の後で来れる、という意味では、若い人やクラブ好きの人にはよかったのかも。


同じ場所で開催されたサイクロン 'Yasi' のイベントでは、入場料一人10ドルで満員の800人入り、8000ドル集まったとかいう話ですが、この日来たのは、残念ながら300人程度のようです。私がいた時間帯には100人ぐらいしかいない感じでした。
浴衣など、日本をテーマにした服装で来ると何かもらえるというので、着物で行きました。相方は作務衣。やっぱり告知が遅かったせいか和装の人はほとんどいなかったので、入り口で主催者の人が大喜びで写真を撮っていたんですが…予想はしていたけど、事後報告ブログにその写真が使われています。使っていいか、とか、そういう話はまったく聞かなかったので、ちょっと不愉快。正当な目的だし、チャリティイベントだし、その場で許可を求められたらもちろんOKしたんですが、一般参加者の写真を、しかも余裕で個人が特定できるような写真を一言も言わずに使うって、どうなの?
ちなみに、もらったのは、このナイトクラブでやっているSam Powersさんのマジックショーのチケットでした。Samさんは職場に来たことがあり、チケットをもらって既にショーを見たことがあるので、私はパス。誰かにあげます。
開催しただけでも意義があったとは思うけど、せっかくの機会を生かしきれていない感じで、個人的にもあまり楽しめないイベントでした。

関連ニュース:Velvet Underground event to cast a spell of goodwill --The Cairns Post | April 8, 2011



昨日は、職場の仲間が通っているラテンダンススクール、Sabor Dance Company が開催したチャリティイベントに参加。
こちらは、入場料一人6ドルで、別途にラッフル(くじ)を販売。
ラッフル(raffle)というのは、チャリティの資金集めによく使われる手法で、まず、協力者を募って景品を提供してもらい(あるいは予算内で購入)、番号が書かれた小さな紙を1枚1ドル程度で配布、あとで抽選して当選者に景品をあげるというものです。
会場にはラテン系の音楽が流れ、テーブルと椅子は壁際に並べられて中央に広いスペースが設けられ、「さあ、踊れ!」という感じ。7時開場で、ケアンズ的なのかラテン的なのか、とくに進行のアナウンスもないまま、踊りたい人は踊り、語らいたい人は語らいという雰囲気。もちろん、参加者はダンススクールの関係者やダンス好きの人が多いので、ほとんどの人が積極的に踊っていました。ノリがひたすら明るいので素人のダンス見てるだけでもけっこうおもしろかった。
踊ってよ!と言われてたんだけど、私にはラテンダンスは無理、と思ったので、踊らなくても済む言い訳になるかと思い浴衣(○ニクロの)で参加…。というか、せっかく日本関係のイベントなので、まあ余興みたいなもんですね。オージーの参加者とかが見て、ちょっと楽しんでくれればいいな、と。
この日は、ダンススクールの人たちのパフォーマンスを楽しみに行ったんですが、実際にパフォーマンスが始まったのはもう9時近くなってから。さすがにオージーも、まだかな、みたいな雰囲気になってた。
ダンスの経験がまったくないのでよくわからないけど、パフォーマンスは、華やかでキレがあってお見事でした。普段はシアターやナイトクラブなどに呼ばれて踊っているんだそうです。ダンスに詳しい人によれば、特にそのうちの一人はいろいろな大会なんかにも出るような有名なダンサーなんだそうです。
しかし腰とか足とか、よくあんなに動くよな…。超スローな仕舞とかをやっていた私にとっては未知の領域。ただ、よくよく見ていると、どんなに激しい動きでも重心というか、腰はしっかり安定しているので、そこら辺はどんな踊りでも共通なのかな、と思いました。


今回誘ってくれた職場の仲間を含めて日本人のダンサーの方が何人もいて、多分、それでチャリティをすることになったんだと思いますが、皆すごく生き生きと準備したり踊ったりしていて、素敵でした。成果は、諸々含めて、1900ドルくらいになったとか。
お疲れさまでした。



明日も、大きなイベントが開催されます。
Japan Day of Hope

エスプラネートの南端、ピアの前にあるFogarty Parkが会場。
仕事があるので行けませんが、いろんなパフォーマンスや出店があるようです。
あと、折り鶴を作るらしい。

折り鶴、気持ちはありがたいけど、具体的に、誰に(どこに)送るんだろう。そして、もらった人はどうするんだろう。


とにかく、各方面を巻き込んだ大規模なイベントになりそうなので、成功することを祈っています。




ちなみに、本日、クイーンズランド州でまた大きめの地震があったそうです。
North Queensland rocked by 5.4 earthquake, 124km southeast of Townsville --The Sunday Mail | April 16, 2011

ケアンズからはちょっと離れているので揺れなかったけど、先月の地震では揺れたし、人ごとじゃない!と思って参加者が増えるかも?

2011年3月14日

国外からできること

東日本大震災/東北関東大震災(呼び方は確定していないようです)について、国外からできることといえば、まずは募金になると思います。

オーストラリアではAustralian Red Crossが受け付けています。

Australian Red Cross | Japan and Pacific Disaster Appeal 2011


また、米Amazon.comを通じて、American Red Crossに寄付金を送ることができます。



既にアカウントを持っている場合には、非常に便利な方法だと思います。

3月15日追記:iTune Storeでも受け入れ開始しています。


現地の邦人組織に問い合わせてみるのもいいと思います。
ケアンズではオーキッドプラザのマル優などに募金活動を行うボランティア募集の貼り紙が出ていました。

ほかにも国際的な団体で義援金の受付を行っているところがいくつかあります。



3月15日追記:

海外の募金受付先一覧(ABC News から)




意外と(失礼…)チャリティに熱心なことでも有名な

Lady Gaga
は、特製リストバンドの代金に上乗せする形で寄付を募っています。

日本では、NHK、中央共同募金会、日本赤十字社、NHK厚生文化事業団が、振込のほか、全国のNHK放送局の窓口、募金会および日赤の窓口でも受け付けているそうです。詳しくはNHKの報道資料と、中央共同募金会のブログを参照。

被災地への個人からの物資の寄付は、今のところどの自治体でも受け付けていません。受け入れや保管が困難だからです。

また、残念ながらニセ募金のようなものが横行しているということなので、寄付をする団体名やサイトをよく確認したほうがいいようです。 

2011年3月13日

地震のニュース 続

震度がマグニチュード9.0と訂正され、時間が経つごとに深刻な被害状況が明らかになっていく中、オーストラリアでは、日本滞在中のオーストラリア人の安否情報や被災者の声などが伝えられ始めた。


Sydney man tells of escape from tsunami in Japan --AAP March 13, 2011
自動車部品の購入のために日本に来ていたシドニー在住のGeoff Fear氏は、仙台で被災した。地震発生後、シドニーにいる奥さんと電話で話したが、津波発生で避難する際に連絡が途絶える。
"It was terrifying, knowing that at any moment the wave could catch us - (and) also not knowing what to do,"
(「いまにも津波に追いつかれそうで恐ろしかった。どういたらいいのかわからなかった。」-Fear氏が後からNine Networkのインタビューに答えたもの
"I could just hear commotion," she said. "There were people yelling. He sounded like he was breathing very heavily."
(「(電話からは)騒音が聞こえるだけだった。人が叫んでいた。夫は息を切らしているように聞こえた。」-Fear氏の奥さん
幸いその後また連絡があり、Fear氏は無事が確認されているが、いまだに仙台に足止めされているという。
"I won't be rested until he is here," his wife said.
(「夫がここに帰ってくるまでは、休めません」 -Fear氏の奥さん


仙台で英語教師をしていた息子と連絡が取れないという女性は、Facebookに寄せられた、震災後に彼を見たというコメントに希望をつないでいるが、連絡はまだ取れていない。
Mother hopeful for son missing in Japan after quake and tsunami  --AAP March 13, 2011
"It is very stressful, the waiting," she said.
(「待っているだけというこの状態は、とても大きなストレスです」)


福島第一原発の近くで英語教師をしていた女性は、 被曝の可能性も心配している。
Aussie in Japan fears radiation exposure after being rescued from near Fukushima reactor --AAP March 13, 2011
現時点で、日本滞在が確認されている2331人中、幸い1271人の無事が確認されているという。

Earthquake Japan: 1271 Australians confirmed as safe but fears for hundreds more --AAP, news.com.au March 13, 2011



安否確認の連絡先は以下の通り。
Concerned for Australians missing in Japan? Call DFAT on +1300 555 135


誰もが困難な状況にある中、日本語やコミュニケーションの面で不自由がある人は、さらに大変だろうと思う。それを遠く離れたところから心配する家族のもどかしさも思いやられる。




最近立て続けに自然災害が起こっていることに不安を感じたり、災害がさらに増えると予想したりする人々が出てくる中、こんな冷静な意見もある。

Quakes not increasing, but human risk is(増えているのは地震ではなく人的なリスク) --By Colin Stark, Special to CNN March 12, 2011


もともと地震の起きやすい環太平洋地域やヒマラヤ周辺で、過去に巨大地震が起きてから今までの間に、急速に大都市が発達し、人口が激増した。このことがリスクを大きくしている、ということらしい。
そういわれればそうだろうと思う。関東大震災のときには原発はなかった。
科学の力で耐震構造や警報システムがいくら発達しても万能ではないし、都市化や人口増加に伴う新たなリスクがいろいろと出てくるのだろう。




被害状況を伝えるニュースを見ていると、どうしても悲観的になりがちだが、希望を持たせてくれるかもしれないこんな意見があった。
Japan could build back stronger(日本はより力強く復興するかもしれない) -- CNN March 11, 2011


John H. Makin: When uncertainty strikes, the Japanese tend to bring money home. That strengthens the currency and makes it harder for them to sell in global markets. So this earthquake is certainly a short-term negative for the economy.
However, in the intermediate term it may be a net positive. It may galvanize the government and unify the people in rebuilding infrastructure.
This crisis thrusts Japan’s challenges front and center. If the government responds positively, Japan could benefit from a building boom in the medium term. Let’s hope that happens.
経済は苦手なのでよくわからないが…
短期的にはマイナスの影響だが、中期的には復興を通して政府が活性化し、国民が一丸となり、日本を活気づける可能性もあるということらしい。そうなると、建築ブームが起きて経済も活性化し、また一方で、インフレや負債増加に対する懸念はそれほどないという。
ただし、
 If the government responds positively,  
 (もし政府が前向き、積極的に対応すれば、)
そして、
This tragedy may serve as a wake-up call to Japan’s political leadership to get its act together, stop bickering over minor issues and build a more prosperous Japan. 
(この悲劇が警鐘となって、日本の政治指導部は団結して対策に当たり、些細な問題で口論することをやめ、日本をより繁栄させることができるかもしれない。)
「警鐘」として捉えられるようなレベルをはるかに超えた災害だとは思うが、政治家には本当に真摯に対策に当たってほしい。

2011年3月12日

地震のニュース

webで地震のニュースを見ている。
あまりの事態に唖然。
原発事故がどうにか収拾されることを願うばかり。


災害続きのオーストラリアでも、この地震に対する関心はかなり高い。2004年のスマトラ島沖地震の津波が記憶に新しいせいもあるだろう。日本に行ったことのある人はかなり多いし、被災地周辺に滞在中のオーストラリア人も多数いるはずだ。


地元ケアンズのニュースでも大きく取り上げられていた。
10m wave of death hits Japan's east coast --Saturday, March 12, 2011 The Cairns Post

津波は10m、マグニチュードは8.9とされていて、なぜか日本の報道よりも数値が大きめになっている。

CNNにはこんなニュースが。
Quake moved Japan coast 8 feet; shifted Earth's axis --By Kevin Voigt, CNN March 12, 2011

地震で日本の海岸線が2.4mずれ、さらに地球の自転軸も最大で10cmぶれたということらしい。また、津波の規模は、マグニチュード9.3だった2004年のスマトラ島沖地震と同レベルだそうだ。先月のニュージーランド、クライストチャーチでの地震と直接関連している可能性は低いという。

地震には慣れているし対策も進んでいるはずの日本でも、これほどの大規模な地震/津波に襲われたら、いろいろな面で予測不能などうすることもできない事態が発生してしまうだろう。

被災地で一刻も早く救出と支援が行われることを祈りたい。

2011年2月9日

サイクロン ‘Yasi’ -後始末

'Yasi' で倒れた近所の木

同上

サイクロン関係の話題が続いてますが、最後にもう一つ。


オーストラリア政府が、サイクロンの被災者に向けて復興支援金の支給を行っている。


Australian Government Disaster Recovery Payment (AGDRP)


ところが、この支給対象がかなり幅広く、家屋の損壊や負傷などの実質的な被害だけでなく、48時間以上の停電、24時間以上閉じこめられた、あるいは帰宅できなかったといったケースまで含まれている。
被害が少なかったケアンズでも、ほとんどの住民が停電か避難のケースに該当するので、受け付け窓口であるセンターリンク(Centrelink:おもに社会保障的な各種手当てを担当している政府機関)は、大混乱。


日本と比べれば、新しい対策を実行に移すのがかなり早いといえるオーストラリア。
でも、もうちょっと考えたらどうよ、と思わされることも少なくない…。

倒壊した建物の処理や、道路の復旧や、大量に出たgreen waste(緑のゴミ? 折れた枝とか木とか植物系のゴミのこと)はどうなるのかとういうと、被害が大きかった地域では、軍が大量に動員されて、かなり迅速に進んでいるようだ。
'ground zero'(上陸地点)のカードウェルやタリーを通過している国道1号線、ブルースハイウェイも、今週初めには迂回路などを利用しつつも全面開通した。
ケアンズでも、ゴミ収集が余分に回ってきたり、green wasteは路肩に積んでおけば市の車が(そのうち)回収してくれたりするので、こういう部分は、なかなかシステムがよく動いていると思う。まあ、地域柄サイクロンは恒例だから、当然かもしれないが。

ただし、後始末がすべて終わったとしても、被災地の人々にとっての本当の意味での復興は、ようやくそこからが出発点となるわけだけれど。

2011年2月4日

サイクロン ‘Yasi’ -考察あるいは所感

ケアンズでは、ほとんどの店が今日から通常通りの営業を始めた。学校も開いたらしい。

今回のサイクロン‘Yasi’(ヤシ)で被害が最も大きかったのは、カードウェルだった。ケアンズの南約200kmにある人口1200人あまりの小さな町は、ほとんどの住民が避難し、120人あまりが警察による避難命令を拒否して残ったものの、幸い死者はいなかった。
ただし、海辺にあるこの町ではすべての家屋が何らかの被害を受け、ほとんどの家は、修理や建て替えも困難なほどひどい状況にあるようだ。それでも、避難先から戻ったこの町の人々は、無事であったことに安堵している。

Some people will never return to their homes.  
Retiree Dick Speechly moved into his oceanfront home, which collapsed, only two years ago and said he was unlikely to go back to it. Salvaging his belongings with two of his grandsons, Jake Ebert, 16, and Jason White, 15, he sought shelter at a friend's inland home.
"I feel terrible, but we're alive," he told The Australian.
"I don't know about rebuilding, at this stage - probably not."
The Australian 
(もう家には戻ることがない人々もいるだろう。Dick Speechlyさん(退職)は、たった2年前にこの海辺の家に移り住んできたばかりだが、家は倒壊してしまった。Speechlyさんは、おそらくこの家に戻ることはないだろうと言う。孫のJake Ebert君(16歳)、 Jason White君(15歳)と一緒に倒壊した家から荷物を運び出していたSpeechlyさんは、内陸に住む友人の家に避難した。The Australian紙の取材にに応えて、Speechlyさんは、「とてもつらいよ。でも私たちは生きている。」と語った。「家の再建については、今の段階ではまだわからない。多分、しないだろう。」)
上記「The Australian」のサイトに掲載されている写真を見ると、この人の家は屋根がほとんど無くなり、窓ガラスが割れ、周囲は砂に埋もれている。


上陸地点に最も近かったミッションビーチは、観光地として、また、ヒクイドリの生息地としても有名な場所だ。
ここでは、丘の上に立っていたリゾートホテル(The Elandra resort)が壊滅的な打撃を受けた。オーナー夫妻は被災後の状況について、"a war zone"(戦場だ)、"We've been napalmed"(ナパーム弾の爆撃を受けたようだ)と表現している。
ミッションビーチの建物は比較的新しく、サイクロン対策の基準に基づいて立てられていたため、この他の建物は奇跡的にも被害は少なかったという。ただし、ヒクイドリが生息する熱帯雨林は、かなりのダメージを受けているらしい。

同じく上陸地点に近かったタリーでは、避難所も倒壊した。ただし、避難していた住民はそれ以前に移動していて無事だったようだ。

被害は主に南側でひどかったようだ。上陸地点とされるミッションビーチから140km程度北にあるケアンズの被害が軽微だったこととは対照的に、ミッションビーチから約160km、ケアンズからは約300km南のタウンズビルでは、洪水、停電、断水のほか、建物にも被害が生じている。

サイクロン「ヤシ」の規模は、よく米国のハリケーン「カトリーナ」(2005年)と比較される。
BBCによれば(How big is Cyclone Yasi?  -BBC)、ヤシの直径は650km、イギリスがすっぽり収まるくらい、日本なら東京から四国辺り、または東京から青森県辺りまでがすっぽり入る大きさだ。カトリーナの大きさは直径640kmでほぼ同大だ。
ヤシの最低気圧は922hPa、カトリーナが902hPaで上回る。ただし、カトリーナは上陸時にはやや弱まっていたのに比べ、ヤシは上陸時にも強度を保っていた。ミッションビーチを通過した際の気圧は約930hPaと計測されている。
ヤシの一分間の最大風速は250 km/h、中心付近の瞬間最大風速は285 km/h程度とされている。カトリーナの一分間の最大風速は280 km/hで、規模としては、ほぼ同程度と言えるようだ。
ただし、人的被害には大幅な違いがあった。
現時点で確認されているヤシによる死者は、1名。
カトリーナでは、直接および間接的な死者が合計1800名以上に上った。
大きな違いは、カトリーナが複数地域に複数回上陸したこと、上陸地点付近の地形、そして、もともとの人口密度が高かったことによると見られる。カトリーナでは、洪水によって大きな被害が出ている。
周囲の気象条件、地形、サイクロンやハリケーンの個々の性質の違いなどによって影響は大きく異なるから、単純な比較はできない。
ただ、政府の対応や、住民の反応による違いも一部にはあったのかもしれない。
ヤシの主な被災地では、住民のほとんどは避難していた。

人的被害が少なかったものの、農業被害を含めた長期的な被害はかなり大きい。
被害を受けたケアンズからタウンズビルにかけての地域は、バナナ、サトウキビなどの農作物の一大産地に当たる。輸入向け作物が打撃を受けたことによる経済的損失だけでなく、国内での食料不足やインフレも心配されている。

今回のサイクロンでは、個人的には直接の被害は受けなかったが、かなりぎりぎりになって避難を決断するという状況に遭遇した。これまでにない経験の中で、気付かされたこと、学んだことがいろいろあった。
また、勤務先の動物園でもサイクロン対策や、ほとんどのスタッフが他所へ避難するという状況で、いろいろ学んだことが多かった。

まず、家庭では…

非常用持ち出し袋
邪魔だと思うかもしれないけど、これはやはり大事。
最低でも、パスポート、通帳、証書類などの貴重品はまとめておいた方がいい。
食料や衣類は、持ち出さない場合もあるので、全部入れた大きな袋を作るよりも、貴重品袋と分けられたほうがいいと思う。

・連絡先リスト
携帯はつながらないかもしれないし、モバイルはバッテリーが切れたら役に立たない。紙の連絡先リストがあれば、誰かに連絡して現状を伝えられる可能性が高くなる。

・ラジオ
電池式でも手回し式でもいい。とにかく、停電でも長時間使えるラジオ。今回、一番ありがたかったのはこれだった。
サイクロンが接近して以降、ローカル局はほとんどすべて同じ緊急番組を流していて、番組の中ではサイクロン情報の他に、現在、受信できることが確認されている周波数も伝えていた。電波塔に被害がおよべば受信できなくなることもあるので、これはありがたかった。
実際にこういう状況にならなければありがたみがわからなかったけれど、一般の人からの情報提供もありがたかった。サイクロンの通過中、ラジオ局では電話、ショートメッセージ、ウェブサイトへの書き込みなど、あらゆる方法でのアクセスを受け付けており、これによって、各地から、正確ではないかもしれないけれど生の、リアルタイムの情報が刻々と届けられていた。避難している場合、自分の家の周りで何が起きているのか非常に気になるものだ。あるいは、親戚や友人が住んでいる地域の情報とか。中にはあまり役に立たない情報があるのも確かだけど、停電、電話もつながらない、そういう状況で不安な一夜を過ごす中で、ラジオから流れる他の人たちの生の声は非常に貴重なものだと思った。中には、笑いを誘うような電話(ペットの豚と一緒に居間に避難しているとか詩を作ったとか)もあり、これもその場の雰囲気を和ませてくれた。ほとんどの人が、災害の中でも「なんとか生き延びるよ」「まあ、しょうがないさ」「ビールでも飲んで、何が起こるか待つさ」といった、楽観的な態度だったのは、オーストラリア人気質なのかもしれない。

・ペットの避難対策
避難所は、ほとんどの場合、ペットを受け入れていない。これは仕方ないと思う。ペットがいる人は、親戚や知人など、避難できる場所、またはペットを預けられる場所をあらかじめ考えておくべきだろう。
こうした場所に何もないときに連れていって、慣らしておいてもいいかもしれない。

ペットを連れて避難することになった場合、持ち運べるケージ等(キャリーというのかな?)が必要になる。また、限られた時間でケージに素早く入れられるように、トレーニングをするなり、方法を考えるなりしておくべきだ。数日分の最低限の餌もすぐに持ち出せるようにしておくべきだ。
車で移動する場合、乗り物酔いするペットもいるので、とにかく一度は移動を経験しておいたほうがいいと思う。
災害が起きれば物流にも問題が生じる。人間の食糧は最低限確保されるだろうけど、ペットや動物は後回しになる。あらかじめ、餌や水は多めに確保しておくべきだと思う。物流の問題は、かなり長期化する可能性がある。例えば、クイーンズランド州の物資はほとんどがブリズベンを経由するが、1月の洪水以降、物資が不足したり遅れたりしがちになっており、鳥用のシードは、ケアンズではサイクロン前に既にほとんど在庫がなくなっていた。今後、再入荷がいつになるのか見当もつかない。
人間が緊張したりあせったりすれば、動物も異常を感じて普段とは違う行動を取ったり、思い通りに動いてくれなかったりする場合が多い。平常時から対策を考えたり、トレーニングをしておくことが重要だと思う。
爬虫類など、餌の頻度が少なくてすむ種類の場合には避難時にも移動させないこともあるだろう。その場合にも、安全性の確保や、停電、断水などが起きた際の対策などが必要になると思う。
いずれの場合にも、自分がその場にいないことも考えられる。
日頃から、家族や知人と話をしておくことも大事だと思う。


また職場(動物園)では…

・災害時の手順を細かく決めておく
サイクロンが頻発するケアンズだけあって、私の勤務先では「Cyclone Procedure」(サイクロン対策の手順)が細かく決められていた。
これは建物周辺の植木の手入れから、今回のような大型サイクロン時の動物の避難手順まで、一応、段階に応じて設定されたものだ。基本的にはこれに準じて進めていけばいいのだが、実際には、サイクロンの規模や進路はあまり先までは確実に予想できず、突然に変わることもあるので、今回は最悪の事態を考えて対策を取らざるをえなかった。建物外周側など、あまり堅牢でない場所の動物はすべて室内に収容。園内の動かせるものはすべて片づけるなど、あらかじめ考えておかないと短時間でできるものではない。
ちなみに、3頭いるコアラは一番堅牢と思われるスタッフ用のシャワー室(男・女)と物置き部屋にそれぞれ収容された。コアラの場合、止まり木、ユーカリ用のポットなど一式一緒に動かさなければいけない。ほかにも、特殊な必要のある動物がいるだろうし、移動場所、ケージや付属物の確保など、準備しておかなければどうしようもなくなる。

・道具をそろえておく
テープ、ロープ、電池など、災害時用に必要なものを一式まとめておき、定期的に確認・補充しておく。

・連絡先リスト
これは、個人の場合と同じ。
仕事に直接関係なくても、安否をお互いに伝えあっておくことは大事だと思う。

・餌やり/世話の割り振り
職員が避難する可能性がある場合、餌やりも考えておかないといけない。
1日ぐらいなら、と思ってしまったりもするのだが、実際には、災害の後にも、道路状況などによって施設へのアクセスができなくなる可能性が高い。
まずは自分や家族の命が大事、というのは事実なのだが、命あるものを扱う仕事上、最大限の努力はするべきだと思う。ちょっとした手配や時間配分の違いで、動物たちが生き延びる可能性は格段に高くなる。
一番近くに住んでいる人、遠くへ避難する必要のない人など、確実に来られそうな人を割り振っておき、もしその人が何らかの事情で来られない場合、チームリーダーや他のスタッフなどにすぐ連絡できるようにしておくべきだろう。
今回、幸いにも、動物たちはみんな無事だった。
完全にどうしようもなかったと思える場合ならともかく、もし何かあったときに、後から後悔するのはやりきれないと思う。

政府の気候変動の専門家が、今回のサイクロンは温暖化の影響のほんの一端に過ぎない、というようなコメントをしているそうだ。

そうかもしれない。
確かに、温暖化による異常気象の多発は、前々から言われていたことだ。
実際に被害に遭ったとしたら、そんなコメントができるかどうかは疑問だが。
とりあえず今は、無事であったことに感謝しつつ、被災地や被災者の方々の一日も早い復興を祈りたい。

2011年1月13日

洪水

日本のニュースでも取り上げられているようだけど、今、クイーンズランド州では記録的な洪水が発生している。
午前2時頃から、州都ブリズベンを流れるブリズベン川の水が堤防を越えて流れ込み、市内のかなりの部分が水没。午前中のうちに水はやや引き始めたものの、まだまだ道路は分断され、場所によっては屋根まで水に浸かったまま。
テレビ中継でしゃべっていた州知事が思わず涙ぐんでいたのが印象的だった。
最近は何かと批判されることが多いアナ・ブライ知事だが、この涙は国民にも概ね好意的に受け止められたよう。
無理もないよね。23区一帯が水没したようなもんだから。
詳しくはこちら

ケアンズでは、洪水はまったく起きていない。
でも、物流が途絶え気味なので、店の棚がかなりガラガラ。
食品を除けばほとんどの物資がブリズベン方面から運ばれてくるので、今後この状態がどれだけ続くのかわからない。

こんな一大災害の中、動物たちはどうしているのかというと、

ヘビがカエルに乗っかっていたり、
Frog hitches ride with snake to flee floods (ninemsn)

ワラビーが取り残されて立ち往生していたり、

QLD floods devastate wildlife (Animals Australia)


当然、もっと深刻な被害も受けているだろう。


人にとっても動物にとっても、長引けば長引くほど、二次的な被害も大きくなりそうだ。

2010年12月7日

贅沢な空

数日前のCNNニュースにこんなのがあった。

Iran calls for public holiday as air pollution plagues capital
(イランの首都で大気汚染が発生 政府が公休を言い渡す)

テヘランであまりに深刻な大気汚染が発生したため、政府が2日間を公休と定め、公共機関、学校等を休みにし、市民には外出を控えるよう言い渡したという内容だった。

公休にするほどひどいなんて信じられないような話だけど、調べてみると、テヘランは地形や乾燥した気候などの条件も重なって長年空気汚染に悩まされており、こういうことは度々あるらしい。そういえば、ネパールのカトマンズも大気汚染がひどくて、対策を学ぶために日本に留学しているという人がいたなあ。
記事は12月1日付けだから、もう1週間たつ。
根本的にはすぐに改善されるものではないのだろうと思うけど、普通に生活できるぐらいには緩和されているといいと思う。

ところで、今月でケアンズに来て8年目になる。
住もうと決めた理由はいろいろあるけど、一番大きな理由は、多分、空が広くてきれいだったから。
東京都心部のワンルームアパートで、ビルの隙き間に灰色の空が見えるだけの暮らしを4年間続けた後、ケアンズの空はあまりにインパクトが大き過ぎた。
ただ単純に、空がきれい。
こういう感覚は、うまく言葉にできない。
でも、言葉にはできないくらい基本的な、大事なものだと思うよ。

海岸の夕焼けとメガネオオコウモリ

夕焼け雲

2009年9月 記録的なdust storm(砂塵嵐) が来た日の海岸