2011年11月16日

蚊取り線香に関するちょっとした疑問

しばらく雨が続いたせいか、最近、蚊が多い。

夕方、ガレージのあたりで立ち止まると耳元で「うわ〜ん」と音が聞こえるほど。
ケアンズには、蚊が媒介するデング熱という病気があるので、油断できません。
当たり年だった去年は、ここの近所でも何人か発症していたはず。

うちによくいるのは、こんなやつ。

種類はなんだかよくわかりません。
デング熱を媒介するのは、日本のヤブカ(ヒトスジシマカ)によく似た、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)という種類らしい。川などの広い水辺ではなく、家の周りのちょっとしたくぼみに溜まった水などに発生して、昼間刺されることが多いのも特徴だとか。

病気にかかってはどうしようもないので、蚊取り線香を使用中。
常時、鳥と爬虫類とたいていその他の何かがいる家なので、赤ちゃんやペットにも安心という、天然除虫菊を使った製品をわざわざ日本から取り寄せてみた。

においは悪くないし、なかなか効果もありそう。
が、ここで疑問。
そもそも、除虫菊(シロバナムシヨケギク)に含まれている殺虫成分のピレトリンを真似て開発したのが、合成ピレスロイドなんだから、「天然」=安全とはこれ如何に?

結局、ピレトリンも合成ピレスロイドも昆虫の神経受容体に作用する殺虫活性物質だが、少なくとも、天然ピレトリンは温血動物である哺乳類と鳥類にとっては、ほぼ無毒ということらしい(体内ですぐに分解されてしまうため)。
ただし、除虫菊から抽出した天然ピレトリンが不安定で、すぐに分解されてしまうのに対し、合成ピレスロイドは安定性を高めているということなので、この部分で安全度が落ちると言えるのかもしれない。

そこで、問題なのは冷血動物。
ピレスロイド系殺虫成分は、爬虫類や両生類、魚類にとっては有毒。実際に、死亡事故も起きています。といって、どの程度に有害なのか、同じ部屋とか間近で使わなければいい程度か、やはり天然ピレトリンの方がまだましなのか? そういえば、職場で世話になっている獣医さんが、鳥用の寄生虫駆除スプレー(ピレスロイド入り)をヘビに使ってオッケーとか言ってたよな…。
まだまだ疑問が残ります。調べてみよう。

※ピレスロイドについてはこちらが詳しいです。あとは、wikiにもけっこう出てます。

とりあえず、しまこさんの近くではつかわないようにしよう。

代替案として、こちらでも売っているシトロネラやサンダルウッドを使った製品(精油、ロウソク、ランプやトーチ用のオイル、線香など)を利用する方法もあるけど、これまで使ってみたところ、効き目がいまいちな気がするんだよなあ。


いずれにしても、天然成分なら安全、という信仰めいたものはおかしいと思う。
毒も薬も、植物や自然に存在する成分が原料だったり、それを真似て合成したりしてできているものが多いんだから。




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