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2012年3月27日

日本行き その4 3月8日〜10日 旭山動物園の展示


「行動展示」を実施して、一躍有名になった旭山動物園。
動物の姿形だけではなく、動いている様子、その種らしい自然な行動の様子を見られるようにするには、展示施設の構造を工夫することに始まり、さまざまな研究と試行錯誤が必要だったであろうこと、そしてそれを維持していく努力も必要だろうことが容易に想像できます。
今でこそ、いろいろな動物園が展示方法の改善に取り組んできていますが、やはりここ旭山動物園が先駆者的な役割を果たしており、その方法も非常に大胆かつ徹底していると思います。
実際に行ってみて、有名なペンギンの散歩以外にも、さまざまな工夫を凝らした展示を見ることができました。
また、地元の親戚の方のご好意で、関係者の方に案内をしていただくことができ、短い時間でしたが貴重なお話を伺うことができました。

ペンギンの散歩はやっぱり楽しかったです。
すべてはペンギン任せ。ペンギンのペース。とってものんびりと歩いてきます。
でも、いったん視界に入れば、その愛嬌たっぷりの仕草に釘付け。まだかまだかとしびれを切らして待っていた人たちも、ペンギンが近づいてくると満面の笑顔です。


行列からあんまり遅れたり、他所へ行こうとしたりするペンギンがいると、飼育員さんが後ろへ回って誘導。


ペンギンの散歩は、飼育舎の外に出て、まさに目の前で行動してくれるわけですが、飼育舎そのものも、いろいろな角度から見られるように工夫されていました。
特に、プールの中を通り抜けるように作られたトンネルがよかったです。
泳ぐペンギンを、こんなふうに下から見上げることができます。


目的はそれぞれちょっと違いますが、下から見上げる目線は、他にもいろいろな飼育舎で使われていました。

エゾシカ。

ヒョウ(ユキヒョウだったような)。

アオダイショウ。

レッサーパンダが渡る吊り橋。


ペンギンと並ぶ人気の、ホッキョクグマ館のシールズアイは、獲物であるアザラシ(シール)の目線からホッキョクグマが見える、というもの。

氷の割れ目から顔を出したアザラシをホッキョクグマが狙う、という構図。

これが、実際のシールズアイ。

基本的には一人ずつ、あるいはカップルや親子単位でしか入れないサイズの覗き窓がひとつ(プラス子供用ひとつ)しかないので、当然、行列ができます。この日は、待ち時間10分程度とかだったので並びましたが、夏休みのピーク時期などは1時間以上にもなるそうです。
クマは近くにいたらしいのですが、あいにく、窓の周りに雪が積もっていてよく見えませんでした。後ろで人が待っているので、見えるまでねばるというわけにもいきません。


そのかわり、オオカミ館にあった同じような窓からはばっちり見えました。
こちらは、穴から顔を出したノウサギ、という設定のようです。

動物の習性がうまく利用されていて非常におもしろかったのが、あざらし館のこのチューブ。

氷の穴(割れ目)を模したチューブが、展示室の中を抜けるように作られており、見ている人たちの目の前を、あざらしが上下に行き来します。大きな動物なので、表情まではっきりわかるほどの近さです。何だか楽しそうに、気持ちよさそうに泳いでいる様子が、印象的でした。

寒いところの動物たちだけでなく、サルの仲間の飼育にも力が入れられていました。
特にチンパンジーについては、群れで飼育する試み、食性の問題など、詳しいお話を伺うこともできました。
展示施設は、本来の身体的な能力を生かすために、全体的に高さのある構造になっていました。また、種類による手足の使い方の違いに合わせて設計されています(ぶら下がるかつたい歩くか、反動を付けてジャンプするかどうかなど)。
ただし、冬季は室内飼育のみになっています。

チンパンジーの屋外飼育場。
中央のガラス張りの部屋の中に人が入るようになっています。
チンパンジーが、檻の中の人間を観察するような感じ。

高さ16mあるオランウータンの屋外飼育場。
 さすがのオランウータンも、初めはまったく渡ろうとしなかったので、飼育員に渡らせようとしたり、好物の巨峰を使ったりしたそうです。
屋内も、高さのある構造。

脱走防止や安全性の問題をクリアしつつ、動物たちの行動を最大限に引き出すことができるような、こうした大胆な展示施設が実現するまでには、もちろん、既存の資料の応用だけでなく、現場での議論や試行錯誤の積み重ねがあったのだそうです。どこの動物園でもそうした工夫はしていると思いますが、特に旭山動物園では、妥協のなさというか、とことん追求するというような意気込みを感じました。

何やら肩身の狭い思いがしなくもないです…。

2012年3月23日

今日のケアンズ 屋根の上の犬


お気に入りスポットのようです。
暑(熱)くないんだろうか?


2012年1月13日

珍入者(獣)

車で配送される物品の積み降ろしをする場所をLoading Dockと呼んでいますが(日本語でなんて言うのかよくわからない…)、そこの係員から電話があり、「なんか動物逃げなかった? しっぽのふさふさしたモノがいるんだけど、フクロモモンガじゃないかなあ…」と。
そんなはずはない、と一応園内をチェックし、飼育動物がすべていることを確認。
ということは、ウチのではない。でも気になるので、スタッフの一人がドックまで見に行きました。
その結果、やはりフクロモモンガだろうということに。
早速、果物とロリキート/ミツスイ用ネクターを餌にトラップをしかけました。

そして数時間後、


フクロモモンガじゃないじゃん。

ヒメフクロネコ(Northern Quoll Dasyurus hallucatus)です。



夜行性で肉食の有袋類で、ネコとは何の関係もありません。
ただ、肉食哺乳類の少ないオーストラリアの生態系では、よそのネコ科動物と同じようなニッチにあると言えなくもないかもしれません。木登りは得意です。そして凶暴です。
果物も食べなくはないようですが、スモモなんぞにつられてほんの5時間程度でトラップにかかるとは、よほど空腹だったんでしょう。
このあとは、ちゃんと肉(カンガルー挽肉の肉食動物餌用特製ミックス)をもらい、近所の山に放されました。



よかったね。

2011年11月10日

いつのまにか10月が終わっていた。

10月は、上司の結婚式(しかも勤務先の動物園内で挙式)に始まり、妙に忙しくなって、気づいたらもう終わっていた…。
大雨が続いたせいもあって、動物たちに病気やケガが続いたり、残念ながら死亡に至ったり、精神的にも参っていたのでした。
動物は、少しぐらい体調が悪くてもなかなかそれを表に出しません。
弱いところを見せれば、捕食者に狙われたり、競争相手の挑戦を受けたりすることになるから、それは生存のための知恵なんでしょう。
だから、病気に気づいたときには、もうかなり重篤になっていたりします。
反対に、というか、ケガについてはかなり強いです。痛い痛いと泣き叫ぶこともなく、骨折がいつの間にか治っていたり。
人間ならもうだめだろうと思うような、胸にぽっかり穴が開く大ケガを負いながら、ごく簡単な処置だけですっかり治ってしまった鳥もいました。

病気にしろ、ケガにしろ、治療をしているということがわかってもらえないのがもどかしいですね。注射を打たれたり薬を飲まされたりするのも、動物からみれば迷惑か恐怖にしか感じられない。全身で、「あっちいってよ。さわらないでよ」と訴えているところを、取っ捕まえて有無を言わさず治療する感じです。まあ、人間の子供も似たようなもんでしょうか。

そんなわけで、ひと月ほどうちにいたフクロモモンガ姉妹もそろそろ離乳して園内に戻される予定です。

2011年10月21日

スリングっぽいもの。


赤ちゃん用の、いわゆるだっこひもの一種で、スリングと呼ばれているものがあります。
構造自体は単純で、基本的には長い布を縦二つ折りにして肩のところでリングなどで止めて斜め掛けにし、袋状になった部分に赤ちゃんを入れる仕組み。
オーストラリアではけっこう見かけます。最近は日本でもよく使われているみたいですね。

で、ふと思いついて、家にあったコットン製のストールのような布をスリング風に斜め掛けにして、フクロモモンガの双子姉妹を入れてみました。 ←また女子ですよ。





すやすや寝ています。
落ち着くのか?
丸まっているので顔の脇に手と足があります。ふさふさしてるのは尾。




お互いに、何してるのかな?と、様子を見るのもらくちん。
毛のはえそろっていない子の場合は、湯たんぽを入れるとかしないと保温が不十分だけど、これぐらいの子なら、朝晩のちょっと寒い時間帯も体温でちょうどよく温まるし。

うん。なかなかいいアイディアでした。
丈夫な生地で、ボタンやひもなどで留められるように工夫すれば、カンガルーやワラビーの子供によさそうです。

2011年10月7日

ネズミじゃないよ。


ネズミっぽい感じですが、シモフリコミミバンディクート(Northern Brown Bandicoot Isoodon macrourus)という有袋類です。誰がどうして付けたのかよくわからないけど、あまりセンスのない和名。霜降りって。肉じゃないんだから…。





母親の袋の代わりにニット帽に入っています。
ニット帽を見ると動物を入れたくなりますね。これはちょっと引っかかりやすそうだなーとか、動物用視点で素材や縫製を吟味してみたり。
仕事仲間でもそうですが、飼育員や野生動物救護をしている人は、空き箱やかごを見ればこれは何か(=動物)に使えそうかなーとか、木の枝を見れば止まり木やシェルター(隠れ家)にどうかなーとか、およそ何を見てもそっち方面に思考が向かうようです。


計量中。
47gでした。まだまだ成獣の十分の一もありません。
1日4回のミルク、1回5mlぐらいなので、中さじ一杯分?
それでも、1日で体重の半分近く飲んでいる計算ですね。成長が速いので、2ヶ月もすれば完全に乳離れして、小柄ながらも大人並みの生活をするようになります。ちなみに、妊娠期間は12.5日間と哺乳類中最短です。

2011年8月13日

週末ベビーシッター


世話をしていた人が週末キャンプに行くというので、ベビーシッター中。
フクロモモンガ(Sugar Glider)の双子姉妹。100日齢くらいでしょうかね。
ミルクを少しと、細かく刻んだ果物にサプリメントを混ぜたものを食べています。


ミルクは自分でなめてくれるので、らくちん。
なれない家に来て恐る恐る?まだ眠い? なんか目が据わっている…。


でも、もっと欲しかったらしい。





固まっています。
こいつ誰? って感じでしょうか。




その後、ほぼ一晩中、カサカサ、ドタン、カサカサ… という物音が。
夜はよく動くと聞いていたので、まあ元気で何よりです。うちのケージはそれほど大きくないので、さすがに滑空の練習はあまりできないけど、2日間ぐらいならいいか。(モモンガみたいに滑空します。)
昼間は寝ているので、落ち着いてくれたらしい。とりあえず、仮住まいにそれほど不満はないようです。

2011年7月2日


カンガルーの仲間の子どもを入れておく袋。
ハンガーを利用して、ぶらさげておけるように作ってあります。

中身はこれ。

アカネズミカンガルー。もう6代目か7代目か。
だいたい一ヶ月齢ぐらい。
顔の横に出ているのは、腕ではなくて足(と尾)。

これぐらいの大きさになると、もう親の袋から出ていることが多いです。これよりちょっと前のサイズが実際に親の袋に入っているとどんな感じかというと、こんな。


重そうですが、それでも親はわりと普通に動き回っています。
さすがにお腹がすくのか、大きな子のいる母カンガルーはたいてい一番に餌場にやってきてもりもり食べています。

2011年5月25日

疲れた?


ここしばらく、どうもやる気が出なくて。
職場の雰囲気も暗くなりがちだし。
妙にだるいし。
週末もヒキコモリ気味だし。

何となくコアラを撮ってみたくなった。
寝てるね。


食べてる。


ぼーっとしてる。

コアラ、特に好きってわけではないんだけど。
実態を知っているせいか、「カワイイ!」とは思えないし。
でも、まあ、いいな、と思うこともある。
疲れてるのかね。

ていうか、7年働いててまともに撮ったことなかったよ。

2011年3月12日

パース旅行(2011.3.3〜11) その他の生き物編

西オーストラリアなので、鳥以外の生き物、特に爬虫類とフクロアリクイ(Numbat)にも期待していたのだが、あまり時間を割けなかったこともあって、ほとんど収穫はなかった。
フクロアリクイで有名な場所へは、寄る時間もなかったので仕方ない。また次回に。

Spotted-thighed Frog (Litoria cyclorhyncha) ? 
チェインズビーチにて。雨がほとんど降らず寒かったせいか、カエルの声もあまり聞かなかった。

King's Skink (Egernia kingii) ?
同じくチェインズビーチにて。スキンクはほかにもいたが、アガマやモニターは見られず。

Tiger Snake (Notechis scutatus) ?
パース市内のHerdsman Parkにて。泳いでいるのでキールバック(ヤマカガシに似た外見で無毒。よく泳ぐ)かと思ったら、どう見ても違う。写真はうまく撮れなかったが、どうやらタイガースネーク(有毒)らしい。危ない危ない…。

クロカンガルー(Western Grey Kangaroo Macropus fuliginosus
明け方、チェインズビーチの海岸近くで。
これはあちこちで見かけた。スターリング山脈ではクロテワラビー(Western Brush Wallaby Macropus irma)も見た。

スターリング山脈の山道でクオッカ(Quokka)らしきのを見たのだが、あいにく写真は撮れなかった。本土では沼とか水気のある植生に生息するというけど…でもあの体形はどうみてもクオッカだし…。
もう一度行かなきゃ。

2011年1月2日

変わったペット

引っ越してきてから、なんか「メェー」だか「Baa」だか、ヤギかヒツジみたいな声がするなーと思っていたら、

ついに発見。

向いの家の…


塀の向こうに注目!


ヤギだった。
しかも小屋が二階建てっぽい。

スペースがあれば住宅地でペットとして飼うのも可能なんだな。
乳搾りとかするんだろうか。

ハイジ好きの人?

2010年12月10日

預かりもの もうひとつ

今晩はもうひとつ預かりものが。

アカネズミカンガルー(Aepyprymnus rufescens

1日3回のミルクと、野菜・果物の細切れを少し。


 そして、例のごとくバスルームが占領されました。

2010年12月8日

預かりもの

今日から土曜日まで3日間、預かり中。

メガネオオコウモリ(Pteropus conspicillatus

これは野生動物レスキューで拾われてきた子供コウモリ。
母コウモリが何らかの理由で死亡したりねぐらに帰ってこなかったりすると、弱ったりお腹をすかせた子コウモリが地上に落ちてしまい、ウロウロしているところを助けられることが多い。
母コウモリが死んでしまう理由はいろいろある。麻痺性の毒を持つダニ(Paralysis Tick)が有名だけれど、そのほかにも、果樹園の害獣として撃たれたり電気網で殺されたり、電線や鉄条網などに引っかかったりと、人間に関わる理由が多い。
果実の食害や、多数が集まってコロニーを作るために騒音や悪臭が問題となって、オオコウモリを嫌う人も多い。
一方で、毎年何十頭も育てて野生に返している人たちもいる。

オオコウモリについては以下のサイトに非常に詳しく出ているので、興味のある人はぜひ見てみてください。

世界オオコウモリ紀行
http://www2r.biglobe.ne.jp/~fruitbat/travels/index.htm

ミルクの時間
まだ飲んでる
ミルクは1日4回なので、楽な方。
メスのおちびちゃんで、とてもおとなしく扱いやすいいい子です。
そういえば、なぜかまた女の子なので、うちの生き物部屋(またはダイニング)はすっかり女子部屋と化している。

ミルクが終わるとおしゃぶりを口にくわえさせ、排泄を拭いてトイレを促し、きれいになったら布でくるんで完成。