2011年3月30日

カエルのこと

猛暑再び…。
現在、31℃だそうです。パソコン作業がつらい。

ところで、最近、夜になるとわが家の玄関の階段にカエルがやってくる。


多分、手に収まらないほどおっきいです。持ってみてはいないけど。
(カエルはむやみに触ってはいけない。←カエルのためによくないから)
今晩も来たら測ってみよう。

イエアメガエル(Green Tree Frog Litoria caerulea
メスは12cm近くにもなる大型種。年をとると、耳(鼓膜)の上から体の脇の皮膚がたるんでくる 。

(同上)
顔がカエルのカー○ットのようだ。
アマガエル科Litoria属(アメガエル属)なので、ニホンアマガエル(アマガエル科アマガエル属)とは同科。ケアンズでよく見る在来種のカエルは、大部分がこのLitoria属の種です。

初日は、不運にも、帰宅した旦那に暗闇で踏んづけられて「キュウ!」っとバカでかい声を発しながら姿をくらましたが、その後また戻ってきて、うちにあった餌用のコオロギやらミールワームやらたまたま家で捕まえたゴキブリやらをもらって機嫌を直したのか、3日間ほぼ同じ場所に現れている。ちゃんと学習するようだ。

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日本では好き嫌いの別れるカエルだが、オーストラリアでは、一般的に好意を持たれている。自然環境の指標となるのも、理由の一つだろう。

対照的に、移入種であるオオヒキガエル(Cane Toad Bufo marinus)は、徹底的に憎まれている。
サトウキビ畑の害虫駆除のため、1930年代に人為的に導入されたオオヒキガエルが、オーストラリアの在来生物に与えている悪影響は枚挙に暇がない。
興味のある人は、例えば、以下のページが参考になるかもしれない。
ANIMAL SPECIES:Cane Toad --Australian Museum
Cane Toads: Threatening Our Northern Species --WWF Australia, Threatened Species Network

そもそもの導入が行われた場所であるクイーンズランド州では、一般参加型のさまざまなイベントを通じて、オオヒキガエルの駆除を進めている。『ザ・シンプソンズ』のエピソードの一つにちなんだ、「Toad Day Out」というイベントが先週末に行われた。
Thousands killed in 'Toad Day Out' --March 27, 2011 Courier Mail
Simpsons 'Whacking Day' episode inspires Queensland's Toad Day Out --March 26, 2011 The Telegraph

今年は、ケアンズを訪れていた環境保護活動家のボブ・アーウィン氏(『クロコダイル・ハンター』で有名な故スティーブ・アーウィン氏の父)が、毎年恒例の駆除活動への参加を呼びかけていた。
Clean up toad problem, Queenslanders: Bob Irwin --March 26, 2011 The Cairns Post

移入種を駆除して在来の野生動物を守ろう! という活動に一般の人の関心が集まること自体は非常にいいことだと思う。実際、オオヒキガエルは放置しておけばその影響と関連して絶滅する在来種も出てくるだろうし、手遅れにならないうちに対策をとる必要がある。
ただ、活動に際してきちんとした説明がなされているのかどうかが問題。
特に、子供を積極的に参加させる場合、大きなカエルを捕まえよう、たくさん捕まえてたくさん殺そう(袋に詰めて冷凍庫に入れる方法が一般的)、というだけのイベントに終わらないよう、駆除活動の意味をしっかり強調していかないといけないと思う。

Toad Day Out の発案者だというクイーンズランド州議員の言葉、
"They are the most disgusting creature, probably the most destructive creature around,"
"They are killing our native wildlife, they are poisoning our waterways and if we wait for science to do something we'll be waiting 50 years."
(「やつらは最も不愉快な生き物で、おそらくこの辺では最も有害な生き物だ」「やつらは在来の野生動物を殺し、水路を汚染させている。もし、科学が何か解決策を見つけるまで待つとしたら、50年も待っていることになるだろう」)
これってそのまんま、人間のことだよね、 と思った。

2011年3月23日

今日のクレオ


まだ緊張気味。
当初は、新入りがかなり気になる様子だったアレックスの方も、だいぶ落ち着いてきたので一安心。
約1年前までは一つ屋根の下(カゴの中)で暮らしていたという記憶があるのかないのか、まったく不明。

2011年3月17日

増えちゃった


クローン増殖しました。
いや、嘘です。
でも同クラッチの妹なので、当たらずとも遠からず?

いろいろあって、結局うちに来ちゃった。
このまま2羽ともうちにいるのかどうか、まだはっきりしませんが、どちらか選べと言われても選べない…。

2011年3月14日

国外からできること

東日本大震災/東北関東大震災(呼び方は確定していないようです)について、国外からできることといえば、まずは募金になると思います。

オーストラリアではAustralian Red Crossが受け付けています。

Australian Red Cross | Japan and Pacific Disaster Appeal 2011


また、米Amazon.comを通じて、American Red Crossに寄付金を送ることができます。



既にアカウントを持っている場合には、非常に便利な方法だと思います。

3月15日追記:iTune Storeでも受け入れ開始しています。


現地の邦人組織に問い合わせてみるのもいいと思います。
ケアンズではオーキッドプラザのマル優などに募金活動を行うボランティア募集の貼り紙が出ていました。

ほかにも国際的な団体で義援金の受付を行っているところがいくつかあります。



3月15日追記:

海外の募金受付先一覧(ABC News から)




意外と(失礼…)チャリティに熱心なことでも有名な

Lady Gaga
は、特製リストバンドの代金に上乗せする形で寄付を募っています。

日本では、NHK、中央共同募金会、日本赤十字社、NHK厚生文化事業団が、振込のほか、全国のNHK放送局の窓口、募金会および日赤の窓口でも受け付けているそうです。詳しくはNHKの報道資料と、中央共同募金会のブログを参照。

被災地への個人からの物資の寄付は、今のところどの自治体でも受け付けていません。受け入れや保管が困難だからです。

また、残念ながらニセ募金のようなものが横行しているということなので、寄付をする団体名やサイトをよく確認したほうがいいようです。 

2011年3月13日

地震のニュース 続

震度がマグニチュード9.0と訂正され、時間が経つごとに深刻な被害状況が明らかになっていく中、オーストラリアでは、日本滞在中のオーストラリア人の安否情報や被災者の声などが伝えられ始めた。


Sydney man tells of escape from tsunami in Japan --AAP March 13, 2011
自動車部品の購入のために日本に来ていたシドニー在住のGeoff Fear氏は、仙台で被災した。地震発生後、シドニーにいる奥さんと電話で話したが、津波発生で避難する際に連絡が途絶える。
"It was terrifying, knowing that at any moment the wave could catch us - (and) also not knowing what to do,"
(「いまにも津波に追いつかれそうで恐ろしかった。どういたらいいのかわからなかった。」-Fear氏が後からNine Networkのインタビューに答えたもの
"I could just hear commotion," she said. "There were people yelling. He sounded like he was breathing very heavily."
(「(電話からは)騒音が聞こえるだけだった。人が叫んでいた。夫は息を切らしているように聞こえた。」-Fear氏の奥さん
幸いその後また連絡があり、Fear氏は無事が確認されているが、いまだに仙台に足止めされているという。
"I won't be rested until he is here," his wife said.
(「夫がここに帰ってくるまでは、休めません」 -Fear氏の奥さん


仙台で英語教師をしていた息子と連絡が取れないという女性は、Facebookに寄せられた、震災後に彼を見たというコメントに希望をつないでいるが、連絡はまだ取れていない。
Mother hopeful for son missing in Japan after quake and tsunami  --AAP March 13, 2011
"It is very stressful, the waiting," she said.
(「待っているだけというこの状態は、とても大きなストレスです」)


福島第一原発の近くで英語教師をしていた女性は、 被曝の可能性も心配している。
Aussie in Japan fears radiation exposure after being rescued from near Fukushima reactor --AAP March 13, 2011
現時点で、日本滞在が確認されている2331人中、幸い1271人の無事が確認されているという。

Earthquake Japan: 1271 Australians confirmed as safe but fears for hundreds more --AAP, news.com.au March 13, 2011



安否確認の連絡先は以下の通り。
Concerned for Australians missing in Japan? Call DFAT on +1300 555 135


誰もが困難な状況にある中、日本語やコミュニケーションの面で不自由がある人は、さらに大変だろうと思う。それを遠く離れたところから心配する家族のもどかしさも思いやられる。




最近立て続けに自然災害が起こっていることに不安を感じたり、災害がさらに増えると予想したりする人々が出てくる中、こんな冷静な意見もある。

Quakes not increasing, but human risk is(増えているのは地震ではなく人的なリスク) --By Colin Stark, Special to CNN March 12, 2011


もともと地震の起きやすい環太平洋地域やヒマラヤ周辺で、過去に巨大地震が起きてから今までの間に、急速に大都市が発達し、人口が激増した。このことがリスクを大きくしている、ということらしい。
そういわれればそうだろうと思う。関東大震災のときには原発はなかった。
科学の力で耐震構造や警報システムがいくら発達しても万能ではないし、都市化や人口増加に伴う新たなリスクがいろいろと出てくるのだろう。




被害状況を伝えるニュースを見ていると、どうしても悲観的になりがちだが、希望を持たせてくれるかもしれないこんな意見があった。
Japan could build back stronger(日本はより力強く復興するかもしれない) -- CNN March 11, 2011


John H. Makin: When uncertainty strikes, the Japanese tend to bring money home. That strengthens the currency and makes it harder for them to sell in global markets. So this earthquake is certainly a short-term negative for the economy.
However, in the intermediate term it may be a net positive. It may galvanize the government and unify the people in rebuilding infrastructure.
This crisis thrusts Japan’s challenges front and center. If the government responds positively, Japan could benefit from a building boom in the medium term. Let’s hope that happens.
経済は苦手なのでよくわからないが…
短期的にはマイナスの影響だが、中期的には復興を通して政府が活性化し、国民が一丸となり、日本を活気づける可能性もあるということらしい。そうなると、建築ブームが起きて経済も活性化し、また一方で、インフレや負債増加に対する懸念はそれほどないという。
ただし、
 If the government responds positively,  
 (もし政府が前向き、積極的に対応すれば、)
そして、
This tragedy may serve as a wake-up call to Japan’s political leadership to get its act together, stop bickering over minor issues and build a more prosperous Japan. 
(この悲劇が警鐘となって、日本の政治指導部は団結して対策に当たり、些細な問題で口論することをやめ、日本をより繁栄させることができるかもしれない。)
「警鐘」として捉えられるようなレベルをはるかに超えた災害だとは思うが、政治家には本当に真摯に対策に当たってほしい。

パース旅行(2011.3.3〜11) 風景その他編


スターリング山脈(Stirling Range)のBluff Knoll山頂から。標高1095m。左下に見える道の終点の曲がったところが駐車場で、そこが登山口。所要時間は往復3〜4時間程度。国立公園の一部で、入山料が必要。ふもとにある料金所で用紙に記入し、ポストに入れればOK。
山頂からはほぼ360度見渡せ、南側は海が見えるところもある。
この国立公園の外側は樹木が切り払われて牧草地などの農地になっているので、くっきりした境界線を境に突然樹海が始まり、そして突然岩山がそびえているという、不思議な景色だった。


オーストラリアでは動物横断注意の道路標識をよく目にする。
牛や羊などの家畜のほか、野生動物の標識も多い。コアラやカンガルーは土産物のデザインにもよく使われている。
西オーストラリアでは、ちょっと変わった動物の標識を見かけた。

バンディクート注意。
バンディクート(Bandicoot)は小型の有袋類で、せいぜいモルモットか小型のウサギ程度の大きさしかないので、注意、といわれても難しいかも…。
実際、ケアンズ周辺でもよく轢かれているのを見る。


クサムラツカツクリ(Malleefowl)注意。
オンゲラップ(Ongerup)のクサムラツカツクリ・センター(Yongergnow Australian Malleefowl Centre)近くにて。


乗馬の人、と、カメ注意。
ワギン(Wagin)にて。
頸の長〜いナカクビガメ系ですね。
近くに池があったので、そこから出てきて道路を渡るようだ。本当に渡ることがあるのか?


オーストラリア人は‘Big 〜’ とか ‘Giant 〜’ という巨大モニュメント(?)を作るのが好き。
巨大ヒツジ(The Giant Rum)。ワギンの街にて。



このワギンの近くにあるカタニング(Katanning)という街には、西オーストラリア最大とかいう羊市場があった。


毎週一回、市が開かれるそうだ。
市の前日に運び込まれる羊。トラックに乗ってやってくる。

荷台の中は、もう身動きもできないほどみっしりと詰め込まれている…。

こういうトラックと何台もすれ違った。
生きたままで、市で売り買いする理由がよくわからない。
肉や毛の状態ではだめなのか?


誰もがきれいだと言うパースの街は、やっぱりきれいでした。
スワン川沿いにあって公園が多いので、水と緑、そしてレンガの建物の色合いがきれい。


パースの街を走っていたバス。

gasbusと書かれており、ガスで走っているらしい。エコ?
市内には路線バスが多く、地下鉄も通っていた。公共交通がかなり整っている感じ。
ただし、車が多くて道路は常に渋滞していた。
また、あちこちで道路工事が行われており、新しい住宅の建設も進んでいた。
鉱山で景気がいいらしい。

湿気の多いケアンズに比べて、カラッとして過ごしやすい!
と思ったのもつかの間、乾燥しすぎて、顔がひび割れた…。

帰ってきて2日で回復したけど。

2011年3月12日

パース旅行(2011.3.3〜11) その他の生き物編

西オーストラリアなので、鳥以外の生き物、特に爬虫類とフクロアリクイ(Numbat)にも期待していたのだが、あまり時間を割けなかったこともあって、ほとんど収穫はなかった。
フクロアリクイで有名な場所へは、寄る時間もなかったので仕方ない。また次回に。

Spotted-thighed Frog (Litoria cyclorhyncha) ? 
チェインズビーチにて。雨がほとんど降らず寒かったせいか、カエルの声もあまり聞かなかった。

King's Skink (Egernia kingii) ?
同じくチェインズビーチにて。スキンクはほかにもいたが、アガマやモニターは見られず。

Tiger Snake (Notechis scutatus) ?
パース市内のHerdsman Parkにて。泳いでいるのでキールバック(ヤマカガシに似た外見で無毒。よく泳ぐ)かと思ったら、どう見ても違う。写真はうまく撮れなかったが、どうやらタイガースネーク(有毒)らしい。危ない危ない…。

クロカンガルー(Western Grey Kangaroo Macropus fuliginosus
明け方、チェインズビーチの海岸近くで。
これはあちこちで見かけた。スターリング山脈ではクロテワラビー(Western Brush Wallaby Macropus irma)も見た。

スターリング山脈の山道でクオッカ(Quokka)らしきのを見たのだが、あいにく写真は撮れなかった。本土では沼とか水気のある植生に生息するというけど…でもあの体形はどうみてもクオッカだし…。
もう一度行かなきゃ。

地震のニュース

webで地震のニュースを見ている。
あまりの事態に唖然。
原発事故がどうにか収拾されることを願うばかり。


災害続きのオーストラリアでも、この地震に対する関心はかなり高い。2004年のスマトラ島沖地震の津波が記憶に新しいせいもあるだろう。日本に行ったことのある人はかなり多いし、被災地周辺に滞在中のオーストラリア人も多数いるはずだ。


地元ケアンズのニュースでも大きく取り上げられていた。
10m wave of death hits Japan's east coast --Saturday, March 12, 2011 The Cairns Post

津波は10m、マグニチュードは8.9とされていて、なぜか日本の報道よりも数値が大きめになっている。

CNNにはこんなニュースが。
Quake moved Japan coast 8 feet; shifted Earth's axis --By Kevin Voigt, CNN March 12, 2011

地震で日本の海岸線が2.4mずれ、さらに地球の自転軸も最大で10cmぶれたということらしい。また、津波の規模は、マグニチュード9.3だった2004年のスマトラ島沖地震と同レベルだそうだ。先月のニュージーランド、クライストチャーチでの地震と直接関連している可能性は低いという。

地震には慣れているし対策も進んでいるはずの日本でも、これほどの大規模な地震/津波に襲われたら、いろいろな面で予測不能などうすることもできない事態が発生してしまうだろう。

被災地で一刻も早く救出と支援が行われることを祈りたい。

2011年3月11日

パース旅行(2011.3.3〜11) 鳥編


ケアンズ空港から夕方発の飛行機で西オーストラリア州のパースへ。
しばらく雨続きだったのが、この日は晴天で景色がよく見えた。奥に見える水面はティナルー湖?

雲がきれい。
螺旋状の雲、どうしてあんな風になるんだろう。不思議。

パースからは、南〜南東へ向かい、オルバニー、チェインズビーチ(Cheynes Beach)、スターリング山脈(Stirling Range)、そしてパースへ戻る一週間余りのコースだった。目的はオウム・インコツアーの下見だったため、狙いを絞って移動。

とはいえ、野生のオウム・インコは決して見やすくはない。
頭上を一瞬で飛び去るか、遠くに止まっているか。
だいたいは、見えてもこんな感じの距離感。

これだけ近いとかなりラッキー。
ニシオジロクロオウム(Carnaby's Black-Cockatoo Calyptorhynchus latirostris



全体として、見られた種類は少なかったけど、ケアンズではあまり見られない種類もいろいろいて、環境もまったく違うので楽しかった。

ケアンズにもいるけど、見つけるのはちょっと大変なオーストラリアガマグチヨタカ。
オーストラリアガマグチヨタカ (Tawny Frogmouth Podargus strigoides

2羽います。
(同上)

どこでもよくみかけたタテガミガン。
タテガミガン(Australian Wood Duck Chenonetta jubata

パースを代表する鳥、コクチョウ。
コクチョウ(Black Swan Cygnus atratus

飛ぶと、翼は白い部分がけっこう大きい。
(同上)

天気予報では湿度が高めとか言っていたけど、ケアンズに比べれば全然、カラカラ。
朝晩の寒い時は18度ぐらい、昼は日が当たれば35度とか。
風が強いことが多かったです。

2011年3月2日

雨浴び

今日も雨。

ハトさんは雨で水浴び。
ケージごと庭先に出すと、ほとんど自動的にこの体勢になる。
翼を片方ずつあげて、横向きに寝そべって丹念に浴びる。

もう片側も…


ハトが水場で水浴びをするのは見たことがない。
少なくとも、キンバト、ソデグロバト、ベニカノコバト、チョウショウバトなど、ケアンズ周辺で見られる種類のハトは、雨で水浴びをする習性のようだ。
職場では、よくスプリンクラーの周りに座り込んでやっている。
同じ体勢で日光浴もする。

アレックスもびしょぬれ。

2011年3月1日

'Snowy'

昨年9月に職場に仲間入りした白いワライカワセミ(Laughing Kookaburra Dacelo novaeguineae)が、気付いたら茶色くなっていた。


これが9月に来たばかりの頃。
この時点では、ほぼ真っ白に見えた。
白い動物はなぜか注目される。地元の新聞が取材に来たりもしていた。
前の飼い主(世話主?)によって、'Snowy'というとってもベタな名前が付けられていたのが、結局そのまま使われることに。




そして11月。
手前はアオバネワライカワセミ(Blue-winged Kookaburra Dacelo leachii)。
よく見ると、この時点で既にうっすらと茶色いような…。


そして、現在。




新しくはえてきた尾羽には、うっすらと縞模様が。
顔や肩の周り、胸の辺りなんかも、いつの間にかかなり茶色っぽくなっている。


一部のスタッフはがっかりしているが、これからどう変わるのか(変わらないのか)、これはこれでおもしろい。


ちなみに、アルビノと白変/白化(リューシズム Leucism)は、まったく違う仕組みで起きる。
アルビノは、遺伝情報の欠損によって、メラニンの形成に関わる特定の酵素が作られない(または作られても不活性か、活性度が低い)ために、メラニンが正常に作られないことが原因だそうだ。メラニンが完全に欠乏する状態から、ある程度は作られる状態までいろいろなタイプがあるが、目の脈絡膜のメラニンも欠乏するため、赤目(微量のメラニンがある場合は黒っぽい赤)になるそうだ。
リューシズムについては、色素細胞が発達する過程で、その分化や皮膚/毛・髪への移動が正常に行われないのが原因ということらしい。
仕組みについては、正直よくわからないが、リューシズムは部分的に生じることも全身に生じることもあり、メラニン以外の色素で生じることもあるというのが、アルビニズムとの違い。また、通常、目の色には影響しない点も大きな違いだ。


白いワライカワセミについて検索してみたら、他にも何例かあった。


これは2009年、シドニー近郊で。

Albino kookaburra flying solo in the 'burbs -Illawarra Mercury

掲載されている写真を見ると、嘴と目が黒っぽいので、アルビノではなくリューシズムの方だろう。
ちなみにこれも名前は'Snowy'…。

去年、ケアンズの近くで、白いアオバネワライカワセミの兄弟(姉妹?)が保護されたというニュース。
目は真っ赤だけど、羽衣にはかなり茶色が入っている。
Eagle's Nestという、野生動物の救護・リハビリセンターで保護されたもので、健康状態に問題はないが、放鳥する予定はないらしい。
アルビノかリューシズムかに関わらず、白い個体は野生では目立つので生き延びることは少ない。うちのSnowyも、保護→放鳥→また保護、という過程を繰り返した上で、放鳥は断念されて、引き取られてきた経緯がある。
最初からまったく放鳥を考えないというのには疑問を感じなくもないが、野生動物救護の活動について一般の人に知ってもらうため、そして資金援助してもらうために役立てたいという考えもあるんだろう。
日本でも、白化個体は天敵に襲われやすいだけでなく、カメラマンにも追いかけられて、不幸な結末を迎えるか、いつの間にかいなくなってしまうことが多いようだし…。


Fairfax Digital network navigationIllawarra Mercury