これが9月に来たばかりの頃。
この時点では、ほぼ真っ白に見えた。
白い動物はなぜか注目される。地元の新聞が取材に来たりもしていた。
前の飼い主(世話主?)によって、'Snowy'というとってもベタな名前が付けられていたのが、結局そのまま使われることに。
そして11月。
手前はアオバネワライカワセミ(Blue-winged Kookaburra Dacelo leachii)。
よく見ると、この時点で既にうっすらと茶色いような…。
そして、現在。
新しくはえてきた尾羽には、うっすらと縞模様が。
顔や肩の周り、胸の辺りなんかも、いつの間にかかなり茶色っぽくなっている。
一部のスタッフはがっかりしているが、これからどう変わるのか(変わらないのか)、これはこれでおもしろい。
ちなみに、アルビノと白変/白化(リューシズム Leucism)は、まったく違う仕組みで起きる。
アルビノは、遺伝情報の欠損によって、メラニンの形成に関わる特定の酵素が作られない(または作られても不活性か、活性度が低い)ために、メラニンが正常に作られないことが原因だそうだ。メラニンが完全に欠乏する状態から、ある程度は作られる状態までいろいろなタイプがあるが、目の脈絡膜のメラニンも欠乏するため、赤目(微量のメラニンがある場合は黒っぽい赤)になるそうだ。
リューシズムについては、色素細胞が発達する過程で、その分化や皮膚/毛・髪への移動が正常に行われないのが原因ということらしい。
仕組みについては、正直よくわからないが、リューシズムは部分的に生じることも全身に生じることもあり、メラニン以外の色素で生じることもあるというのが、アルビニズムとの違い。また、通常、目の色には影響しない点も大きな違いだ。
白いワライカワセミについて検索してみたら、他にも何例かあった。
これは2009年、シドニー近郊で。
Albino kookaburra flying solo in the 'burbs -Illawarra Mercury
掲載されている写真を見ると、嘴と目が黒っぽいので、アルビノではなくリューシズムの方だろう。
ちなみにこれも名前は'Snowy'…。
去年、ケアンズの近くで、白いアオバネワライカワセミの兄弟(姉妹?)が保護されたというニュース。
目は真っ赤だけど、羽衣にはかなり茶色が入っている。
Eagle's Nestという、野生動物の救護・リハビリセンターで保護されたもので、健康状態に問題はないが、放鳥する予定はないらしい。
アルビノかリューシズムかに関わらず、白い個体は野生では目立つので生き延びることは少ない。うちのSnowyも、保護→放鳥→また保護、という過程を繰り返した上で、放鳥は断念されて、引き取られてきた経緯がある。
最初からまったく放鳥を考えないというのには疑問を感じなくもないが、野生動物救護の活動について一般の人に知ってもらうため、そして資金援助してもらうために役立てたいという考えもあるんだろう。
日本でも、白化個体は天敵に襲われやすいだけでなく、カメラマンにも追いかけられて、不幸な結末を迎えるか、いつの間にかいなくなってしまうことが多いようだし…。
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